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Bethelgeuse’s blog

最近のneuroscience系科学論文を簡単なコメントつきでアップ

多発性硬化症の造血幹細胞移植療法の臨床試験

The Lancetより。24名の多発性硬化症の患者さんに対して、カナダの3つの病院が行った臨床試験の成績です。多発性硬化症は、免疫細胞が自分自身のミエリンに対して免疫反応を起こしてしまうことにより発症する、自己免疫疾患的側面があります。そこで著者らは、免疫細胞を一旦除去しておいて、その後で造血幹細胞を自家移植することで多発性硬化症を治療しうることを示しました。臨床試験の主要評価項目 (primary outcome) は、multiple sclerosis activity-free survivalで、臨床学的な多発性硬化症の症状の再発、MRIの画像診断による脳内病巣の有無、身体障害のスコア (EDSS, Expanded Disability Status Scaleの略) です。その結果、70%の患者において、多発性硬化症の進行が止まったようです。著者も論文内で記載していますが、患者数が少ないこと、比較対象となる患者さんが臨床試験内ではいなかったことから、報告された治療法が本当に有効かどうかは注意が必要だそうです。

Immunoablation and autologous haemopoietic stem-cell transplantation for aggressive multiple sclerosis: a multicentre single-group phase 2 trial

 

http://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736(16)30169-6/abstract