ウエストナイル脳炎で記憶障害が起こる分子メカニズム
Natureより。蚊によって媒介される感染症、ウエストナイル熱はまれに脳炎を起こし、記憶障害が後遺症となって残ります。マウスのウエストナイルウイルス感染症モデルで、その分子メカニズムを解析した結果が報告されました。感染によって、補体分子C1QAの発現がミクログリアおよびニューロンで上昇し、その結果プレシナプスをミクログリアが貪食していることがわかりました。さらに遺伝学的手法を使って、ミクログリアが減少するIL-34 KOマウスや、補体分子C3もしくはC3a受容体KOマウスでは、ウエストナイルウイルス感染によるプレシナプスの減少が抑制されることから、ミクログリアが補体を介して、プレシナプスを貪食するという、分子メカニズムも明らかとなりました。
A complement–microglial axis drives synapse loss during virus-induced memory impairment
http://www.nature.com/nature/journal/v534/n7608/abs/nature18283.html