Bethelgeuse’s blog

最近のneuroscience系科学論文を簡単なコメントつきでアップ

抗精神病薬によって副作用のカタレプシーが出る分子メカニズム

Neuronより。抗精神病薬ハロペリドールなどはドーパミン受容体D2Rを阻害することで薬効を発揮しますが、副作用としてカタレプシー (不自然な姿勢を長時間保つ) など錐体外路症状が現れることが知られています。D2Rは脳内の様々な細胞に発現していますが、遺伝学的手法で、線条体アセチルコリン作動性のインターニューロンだけでD2Rを欠損させると、ハロペリドールなどによるカタレプシーが減弱することがわかりました。線条体アセチルコリン作動性インターニューロン上にはD2Rが発現しており、D2R阻害によるアセチルコリンを介した神経伝達がカタレプシー発現に重要なようです。

Parkinsonism Driven by Antipsychotics Originates from Dopaminergic Control of Striatal Cholinergic Interneurons

http://www.cell.com/neuron/abstract/S0896-6273(16)30267-7