Bethelgeuse’s blog

最近のneuroscience系科学論文を簡単なコメントつきでアップ

脳で遺伝子発現をオフにする仕組み

Scienceより。何らかの神経活動によって遺伝子発現がオンになった後、それらの遺伝子群の発現をオフにする仕組みが明らかになりました。マウスの実験で、nucleosome remodeling and deacetylase (NuRD) 複合体によって、クロマチンのリモデリング、この場合はクロマチンの構成因子の交換が行われ、神経活動によってオンになった遺伝子群がオフになります。動物レベルでの影響を調べるため、NuRD複合体の構成分子Chd4遺伝子欠損マウスで、遺伝子がオフにならない状態にすると、細胞レベルではニューロンシナプスの刈り込みによる神経回路のチューニングが行われなくなり、個体レベルでは体性感覚刺激に対する反応性が過剰になってしまうことがわかりました。遺伝子のオン・オフどちらにもエピジェネティックな分子制御が働いているようです。

Chromatin remodeling inactivates activity genes and regulates neural coding

 

http://science.sciencemag.org/content/353/6296/300