Bethelgeuse’s blog

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多発性硬化症患者でのMMP活性のイメージング

Science Translational Medicineより。多発性硬化症の患者では脳血液関門が破綻した部位から、脳実質内に白血球が浸潤し、炎症反応を惹起します。著者らは、多発性硬化症の動物モデルを用いて、破綻した脳血液関門からの白血球の浸潤を検出する上で、matrix metalloproteinase-9 (MMP-9) がよいマーカーとして使用できることを確認しました。その上で、MMP9を含むMMPを阻害する化合物からPETプローブを合成し、多発性硬化症患者でのMMP活性のイメージングを行いました。その結果、ガドリニウムを使ったMRIでのT1強調画像で検出される、多発性硬化症患者の脳内炎症部位が、MMPのPETイメージングのシグナルと一致することがわかりました。

Imaging matrix metalloproteinase activity in multiple sclerosis as a specific marker of leukocyte penetration of the blood-brain barrier | Science Translational Medicine