Bethelgeuse’s blog

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ヒスタミン受容体H3逆作動薬GSK239512の再発寛解型多発性硬化症を対象とした臨床第2相試験

Journal of Neurologyより。ヒスタミン受容体H3のシグナルを抑制する逆作動薬GSK239512は、アルツハイマー病、統合失調症および多発性硬化症で臨床開発されていましたが、現在はグラクソ・スミスクライン社の開発候補品からははずれています。今回、多発性硬化症患者を対象にした臨床第2相試験の結果が論文報告されました。GSK239512の作用としては、多発性硬化症で障害を受ける、脳内再ミエリン形成を促進する効果が期待されています。131名の患者が参加し、臨床試験期間を終えた114名の対象者に対して、ミエリン形成を画像によって評価するmagnetisation transfer ratio (MTR) が主要評価項目として設定されました。最大48週間の試験の結果、再ミエリン化が促進される傾向は見出せましたが、臨床的な指標 (症状の再発、認知機能スコアおよび運動能力のスコア) の改善には至りませんでした。

Lesion remyelinating activity of GSK239512 versus placebo in patients with relapsing-remitting multiple sclerosis: a randomised, single-blind, phase II study | SpringerLink