Bethelgeuse’s blog

最近のneuroscience系科学論文を簡単なコメントつきでアップ

ゲノムワイド関連解析 (GWAS) 1. 海馬容積、2 認知機能、と相関する遺伝子座

1. 海馬容積に関しては、Nature Communicationsより。脳の海馬は記憶と関係する重要な部位で、認知症患者では萎縮していることが知られています。33,536名のGWASによって、海馬の容積と相関する一塩基多型 (SNP) を探索した結果、6つのSNPが同定され、そのうち4つは新規のバリアントであることがわかりました。新規4つのバリアントは、ASTN2、DPP4およびMAST4のそれぞれのイントロン、SHH遺伝子の上流200 kbに存在しました。海馬の容積と相関するバリアントは、アルツハイマー病のリスクとも相関していました。

Novel genetic loci associated with hippocampal volume : Nature Communications

2. 認知機能に関しては、Molecular Psychiatryより。ヨーロッパのCognitive Genomics Consortium (COGENT) に登録されている35,298名の健常者のサンプルを使って、一般認知機能 (この研究では認知機能は、幼少期IQ、学歴、教育年数と相関) と関係するGWASメタ解析を実施した結果、2つの新規のSNPが見出されました。1つはcentromere protein O (CENPO) のイントロン、もう一つはlincRNA RP4-665J23.1 (LOC105378853) の遺伝子内にありました。

Molecular Psychiatry - GWAS meta-analysis reveals novel loci and genetic correlates for general cognitive function: a report from the COGENT consortium