ストレスでてんかん発作が起こりやすくなる分子メカニズム
Science Signalingより。てんかんの患者では不安やストレスによっててんかん発作が起こる頻度が増加します。その分子メカニズムとして、ストレスホルモンcorticotropin-releasing factor (CRF) が流すシグナルが変化することが報告されました。つまり、てんかん発作が起こった後では、同じ受容体を介しているにも関わらず、下流のシグナル伝達に変化が生じます。大脳皮質のpiriform cortex (てんかん発作の発生源となりやすい部位) では、通常CRFはその受容体CRHRに結合し、Gαq/11を介して下流にシグナル伝達するのに対し、てんかん発作が起こるとGαsを介して下流にシグナル伝達します。そのシグナル変化はRGS2というタンパク質の低下が関係していることが判明しました。
A switch in G protein coupling for type 1 corticotropin-releasing factor receptors promotes excitability in epileptic brains