2016-09-01から1ヶ月間の記事一覧
Scienceより。パーキンソン病患者の脳内にはレビー小体という病理像が認められ、そこにはα-synucleinが蓄積しています。α-synucleinは家族性パーキンソン病の原因遺伝子としても知られ、パーキンソン病の病態と深く関わっています。α-synucleinは多量体を形…
最近多発性硬化症の治療薬のメカニズムに関する報告が2つありました。多発性硬化症の治療薬には免疫系の細胞に作用するものが多いですが、実は詳細な分子メカニズムが明らかでないものもあります。 一つ目は、フマル酸ジメチル (DMF) で、DMFは再発寛解型多…
Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America (PNAS) より。SMAはSMN1という遺伝子に変異が起こり、SMNタンパク質が機能しなくなることによって、筋委縮に伴う運動失調が起こる中枢性の疾患です。この機能しないSMN1の…
Biological Psychiatryより。抗うつ薬で改善しないうつ病は、治療抵抗性うつ病とよばれます。この治療抵抗性うつ病に対して、麻酔薬として用いられるケタミンが有効であるという臨床証拠があります。ケタミンはラセミ体で、S-(+)-ketamine (esketamine) とR-…
Nature Medicineより。選択的セロトニン再取り込み阻害薬 (SSRI) と呼ばれる抗うつ薬には、副作用として骨粗鬆症が知られていますが、なぜそうなるのかがよくわからず、そのため副作用に対処する方法もわかっていませんでした。今回、SSRIによって、脳内セロ…
Science Signalingより。PS1は家族性ADの原因遺伝子で、AD患者脳に蓄積するアミロイドβ (Aβ) ペプチドを切り出す酵素の構成因子として知られています。今回の報告はよく知られたPS1とAβペプチドではありません。細胞内のカルシウム濃度は厳密に制御されてい…
Multiple Sclerosis Journalより。MedDay社が進行性多発性硬化症を対象に臨床試験を進めているMD1003 (高用量ビオチン) の臨床第IIb/III相試験結果が論文報告されました。MS-SPIと名付けられた臨床試験では、多発性硬化症に伴う身体障害が改善した患者の割合…
Natureより。Aβ抗体はいくつか臨床試験で失敗していますが、aducanumabはAβの凝集体に結合するといわれてるのが特徴です。現在、Biogen社が臨床第三相試験を行っています。Aducanumabによって、ADマウスモデル、および臨床試験での患者での脳内Aβプラークが…