Bethelgeuse’s blog

最近のneuroscience系科学論文を簡単なコメントつきでアップ

パーキンソン病患者由来のドーパミン神経細胞での網羅的遺伝子発現解析

Cell Reportsより。家族性および孤発性のパーキンソン病の患者からiPS細胞を作製し、パーキンソン病で神経変性することが知られる、中脳ドーパミン細胞にiPS細胞を分化させ、パーキンソン病の病態細胞モデルを複数作製しました。病態細胞としての表現型としては、酸化ストレスに対する脆弱性や異常な神経活動が観察されました。さらに、各細胞をRNAシーケンス (RNA-Seq) によって網羅的に遺伝子発現解析した結果、パーキンソン病の細胞では、神経発達障害に関係するRBFOX1という遺伝子の増加によって、RNAスプライシングに変化が生じ、パーキンソン病の病態に関係した遺伝子変化を引き起こしていることが示唆されました。

Molecular Features Underlying Neurodegeneration Identified through In Vitro Modeling of Genetically Diverse Parkinson’s Disease Patients

http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S2211124716305903