Bethelgeuse’s blog

最近のneuroscience系科学論文を簡単なコメントつきでアップ

筋萎縮性側索硬化症 (ALS) 患者にbrain-computer interfaceを埋め込んだ臨床報告

New England Journal of Medicineより。ALSでは、脊髄の運動ニューロンが障害され、その結果、その神経支配を受けている筋肉が動かせなくなり、例えば手足などを自分で動かすことができなくなります。病気の進行が進むと、手足を動かす以外にも、話すこと、呼吸することもできなくなります。今回、進行したALS患者の脳内にbrain–computer interface (brain-machine interfaceともよばれます) を埋め込むことで、話すことができなくなった患者がコンピューターを介してコミュニケーションできるようになったことが報告されました。Figure 1に描かれているようなシステムで、脳内に埋め込まれた電極が患者の神経活動を読み取り、その信号をコンピューターに伝えることによって、ALS患者が伝えたい内容をコンピューターでタイピングしていくことができるようです。

Fully Implanted Brain–Computer Interface in a Locked-In Patient with ALS

http://www.nejm.org/doi/10.1056/NEJMoa1608085