Bethelgeuse’s blog

最近のneuroscience系科学論文を簡単なコメントつきでアップ

RNAスプライシングと線虫の寿命

Natureより。RNAスプライシングが、加齢と密接に関わっていることが線虫 (C. elegans) を用いた実験で報告されました。RNAスプライシングによって、mRNA前駆体からイントロンが除かれたり、エクソンの異なったアイソフォームが発現したりします。摂餌制限は哺乳類も含めて個体の健康寿命を延長させることが知られていますが、線虫で摂餌制限を行い、寿命を延長させると、RNAスプライシングが全体的に促進されていることがわかりました。 そこでsplicing factor 1 (線虫での遺伝子名はSFA-1) というスプライシングに重要な遺伝子の発現を抑制したり、過剰発現したりすると、寿命がそれぞれ短く、もしくは長くなることがわかり、RNAスプライシングの促進が摂餌制限による寿命延長に必須であることが示されました。

Splicing factor 1 modulates dietary restriction and TORC1 pathway longevity in C. elegans

http://www.nature.com/nature/journal/vaop/ncurrent/full/nature20789.html