ホスホジエステラーゼ10A (PDE10A) 阻害薬PF-02545920のハンチントン病 (HD) モデルマウスでの薬効
Neuronより。PDE10A阻害薬により、細胞内のcGMPおよびcAMPの濃度が上昇し、細胞内のシグナル伝達が変化します。現在、Pfizer社が、HDを対象に臨床第2相で開発中のPDE10A阻害薬PF-02545920のHDモデルマウスを用いた詳細な薬効評価が発表されました。HDでは、大脳皮質の内側に位置する線条体の萎縮により、運動障害が起こります。同様の萎縮が認められるHDモデルzQ175マウスで、線条体の萎縮に伴い、線条体を含む大脳基底核の神経伝達が障害を受けますが、PF-02545920によってその障害が軽減することが、各神経回路の電気生理学的解析により示されました。また、網羅的遺伝子発現の結果から、PF-02545920によって神経を保護するようなシグナル伝達が増強されていることも明らかとなりました。
Phosphodiesterase 10A Inhibition Improves Cortico-Basal Ganglia Function in Huntington’s Disease Models
http://www.cell.com/neuron/fulltext/S0896-6273(16)30838-8
現在およびこれまでのPDE10A阻害薬の開発状況については、ごく最近の総説にとりあげられています。
Phosphodiesterase 10 inhibitors in clinical development for CNS disorders
http://www.tandfonline.com/doi/abs/10.1080/14737175.2017.1268531